ガーデン ご紹介

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キルバー・コート・ガーデン   Kilver Court Gardens
               2012年6月5日 訪問  水色枠の写真はクリックすると拡大写真になります。

キルバー・コート・ガーデンの写真をサイトで見つけた時も衝撃を受けたものだ。それは背景に美しくも力強いビアダクト(Viaduct)があり "The Secret Garden of Somerset"と謳っている。行って、見るしかないと思った。グリグリ◎(競馬用語か?)を付けた。
A37沿いに小さなアウトレットのようなものがあり、洋服や食料品、家具類の店やカフェなどが並んでいる。受付らしきところが見当たらないので、 お店ではないが人の出入りのある入り口を入ってみるとトイレだ。トイレを済ませ、近くにいた人に「ガーデンは?」と訊くと「そのドアーを出た先よ」とのこと。 通路を行くと突如現れた光景に驚嘆だ。想像を超えるパノラマがそこに広がっていた(写真下左)。

Kilver Court Kilver Court Kilver Court Kilver Court

興奮の余り、あっち行ってパチパチ、こっち来てパチリ、まるでお使いありさんのようにシャッターを押し続ける有様だ。 比較的狭い(とは言っても4000坪以上ある)ガーデンだから似たような写真ばかりだ。前後整理して紹介しよう。
まずは建物のテラスのパルテール(Parterre 写真上左3枚、下左)。パルテールを日本語では刺繍花壇とか装飾花壇と説明されている。 石や刈り込んだヘッジで幾何学的・対称的な紋様を縁取りし、その中に植物や色の付いた砂利などを配した花壇だ。早い話がベルサイユ宮殿のフォーマルガーデンだ。
ベルサイユに比べたら可愛いものだが、現在の所有者ロジャー・ソール(Roger Saul マルベリー(Mulberry)ブランドの創始者)が1996年に造ったガーデンだ。 青々としたヘッジの中はバラとハーブ類が植栽されている。咲き始めたバラは紫色のようだ。ラベンダーも紫で芳香を放つ。 アリウムも紫の大きな花を咲かせている。カラー・コンセプトはバイオレットのようだ。
このガーデンの起源は19世紀、実業家のアーネスト・ジャーディン(Ernest Jardine)が労働者の保養施設として水車用の貯水池を ボート漕ぎのできる湖にし、ガーデンを造ったことに始まる。そして、菜園を造り、労働者の健康な食生活のために供したのだという。その湖が写真上右と下左から2枚目だ。

Kilver Court Kilver Court Kilver Court Kilver Court Kilver Court

さて、ここで特筆すべきものは今は使われていない背景の高架橋だ。"Somerset and Dorset Railway"のチャールトン高架橋(Charlton Viaduct)として1874年に造られ、 1966年に廃線となったものだ。長さ300m、27本のアーチ、高さ15mの高架橋は近くで見ると威圧感さえ覚える存在感だ。
1960年キルバー・コートの所有者となったシャワリング家(Showering family 発泡飲料ベビーチャム(Babycham)の創始家)はチェルシー・フラワー・ショーの ゴールドメダリストに依頼して高架橋の下にロックガーデンを造ったのだ。湖の水をポンプで汲み上げ、流れを造り、滝を造った。 植栽は多様なコニファーやカエデ、ホスタやシダ、カラーやフェザー、サクラソウやナデシコなど素晴らしいデザインだ。写真は上右3枚と下左3枚だ。
別の場所には"Organic Vegetable Garden"が2009年復活し、ジャーディンの慈善精神に則り地元の子供たちに解放されているという(写真下右)。
自然と人工物の美しい調和が心を落ち着かせるガーデンだ。一般に開放されたのは2008年のことだ。晴れている時に再訪したいと願う。
帰る時になって気が付いた。入場料を払っていない。お店に入って訊くと、カフェで支払うのだそうだ。 支払いが後になったことをお詫びし支払う。それにつけても、鷹揚な経営だ。ポストカード数葉も求める。

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Information
 Address  Kilver Street, Shepton Mallet, Somerset BA4 5NFF
 Telephone  01749 340410
 Web Site  Kilver Court Gardens

オープンの日・時間や入場料は Web Site あるいは Gardens Finder
Gardens Guideで確認ください。

「旅行記」もご覧ください。

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